BOSS NF-1 ノイズ・ゲート
ノイズ・ゲートというのは「ノイズを無くしてくれる、消してくれる便利な機械」ということは決して無い。ゲート、門 という語からもわかるように、あるときはゲートを閉じて、あるときは開いて作用する。すなわち、ギターを弾いていて信号があるときはゲートを開いて音が出るようにしている。実は一緒にノイズも出てきているのだけれど、ギター信号の方が強くて相対的にノイズが聞こえにくくなるからいいよね、というわけだ。ギターを弾いていないときは音が出ていないから、そのままだとノイズがジーとか聞こえてしまって具合が悪いからゲートを閉じて音が出力されないようにする。
ギターの音はピッキング直後は強いが徐々に小さくなっていく減衰音だ。音が小さいときにゲートが意図せず効いてしまうと、余韻のところでブチブチとゲートが閉じたり開いたりして聞き苦しくなってしまうことがある。それを「いきなりゲートを閉じないでフェードアウトで繋ぎましょ」とするのがディケイのコントロールで、これがないとギターやベースでは使いづらい。
FETを可変抵抗素子として利用した回路になっている。入力信号から作った制御電圧で制御するボリュームになっている。弾いていないときにボリュームを最少にして、弾いているときは最大に。制御系の近傍にサーミスタがあったのだが、これがどう作用しているのかはわからなかった。
ところで、弾いた瞬間はボリュームを最少にして徐々に上げる、というコントロールをするとボリューム奏法エフェクタになる。BOSSで言えば Slow Gear SG-1 だ。実際 NF-1 とSG-1の回路はかなり似ている模様だ。NF-1 をSG-1に改造できるかも。よく知らないけど。
入手したNF-1 はプリント基板が割れてた ;-( それほど被害は大きくなかったが、基板の割れていた部分をエポキシで補強してパターン部分をはんだめっき線で補強して、なんとかなった。多層基板だったらあきらめていたかもしれない。いつもどおり双安定マルチバイブレータによるon/off回路は別に付加したものに切り替えてある。
ノイズ自体はピックアップで誘導したりエフェクターから発生するものなので、ノイズをゲートするならアンプに近いのが望ましい。それでもディレイやリバーブの前にこのノイズゲートは配置した方が良いというのは、エコーの余韻部分をブチブチと切らないためだ。もちろんそういう音が欲しいときはこの限りではありません。余分な余韻はスパっと切りたいときとかね。